答え
市立吹田市民病院(地方独立行政法人)は、2023年度から3年続けて経常収支が赤字です。市の評価委員会の報告書(2026年7月)では、2025年度の経常収支比率は96.6%(目標100.3%)、病床利用率は76.2%(目標90%)、救急車の受け入れは3,502件(目標4,280件)で、「財務内容の改善」はC評価でした。2026年度から4年間の第4期中期計画も、最終年度の目標が経常収支比率98.7%、4年間の純損益が13億3,900万円の赤字で、市からの運営費負担金は4年間で約41億5,800万円を見込んでいます。私は2026年9月の本会議で、赤字の原因、431床という規模、計画の見直し、市の負担の総額を示すことを問い、市は赤字を「構造的な課題」と認めました。
確認
根拠(出典)
根拠:吹田市「地方独立行政法人市立吹田市民病院評価委員会」令和7年度業務実績に関する評価結果報告書(案)(2026年7月29日の委員会資料。ページ2026年9月8日更新)、「市立吹田市民病院 中期目標・中期計画・年度計画」第4期中期計画(令和8〜11年度)(2026年4月1日更新)、吹田市議会 本会議(2026年9月11日)の私の質問と市の答弁
私(にしおか友和)の取り組み
現場は在院日数を縮め、医師の残業も減らしている。それでも収支が改善しないのはなぜか。市民の病院を守るために、数字で正面から問いました。
- 2026年9月平均在院日数は10.5日に短縮、医師の時間外は月47時間から21時間に半減、外来単価も4年連続で上がっているのに収支が改善しない原因、病床利用率が目標90%に4年間届かず救急車の受け入れが15%減った中で431床は需要に合っているのか、4年後も赤字の第4期計画を見直すべきではないか、運営費負担金と借入金を合わせた市の負担の総額を市民に示すべきではないか、の4点を問いました。市:病床利用率の伸び悩みと物価・人件費の高騰が改善の効果を上回っている。赤字は一時的ではなく構造的な課題。431床は現時点で必要だが、北摂の広域の議論で数と機能を整理する。期中の見直しは慎重に検討し、毎年度の計画で改善策を求める。負担の総額を一括して示すことは考えていないが、財務情報の透明性の確保は重要。
市が「構造的な課題」と認めたことは、立て直しの出発点です。私は、市民が負担の全体像を一目で分かる形で示すことを求め続けます。市民病院のかかり方や経営について知りたいこと、気になることは相談フォームから届けてください。担当課に確かめ、必要なときは委員会や本会議で取り上げます。
くわしく
数字で見る市民病院(市の評価委員会の報告書から)
市長の附属機関である評価委員会が毎年、病院の業務実績を評価します。2026年7月29日の委員会に出た令和7年度(2025年度)の報告書(案)の数字です。
| 項目 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 目標(第3期) |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収支比率 | 112.1% | 95.5% | 97.1% | 96.6% | 101.3% |
| 医業収支比率 | 91.0% | 87.6% | 93.5% | 91.2% | 96.9% |
| 病床利用率 | 68.7% | 72.7% | 77.8% | 76.2% | 90.0% |
| 入院患者数(1日) | 296.1人 | 313.3人 | 335.5人 | 328.3人 | 387.7人 |
| 救急車の受け入れ | 2,852件 | 4,180件 | 4,116件 | 3,502件 | 4,280件 |
| 平均在院日数 | 10.9日 | 10.9日 | 10.7日 | 10.5日 | — |
経常収支比率が100%を下回ると、その年は赤字です。2022年度はコロナ関連の補助金で黒字でしたが、2023年度からは3年続けて赤字です。報告書は、物価上昇の中で材料費の節減は進んだものの、コロナ後の患者の動きの変化と診療報酬の構造的な問題で収益が伸びず、「財務内容の改善」を4段階のC(やや遅れている)、全体をB(概ね計画どおり)と評価しました。救急については、救急車の受け入れが減った一因は依頼件数の減少としつつ、救急隊に伝える応需情報の精度に課題があると指摘しています。
これからの4年間(第4期中期計画)
2026年度から2029年度の第4期中期計画は、最終年度の目標を経常収支比率98.7%、医業収支比率94.2%としています。つまり、計画どおりでも4年後に黒字にはなりません。4年間の収支計画は収入664億1,300万円に対して支出677億5,200万円で、純損益は13億3,900万円の赤字。市からの運営費負担金は4年間で営業収益39億5,600万円と営業外2億200万円の計約41億5,800万円を見込んでいます。計画には、片山町の旧病院の跡地を早期に適切な価格で売却して財務を健全にすることも書かれています(市民病院の跡地はどうなる?)。
市はいくら支えているのか
病院は地方独立行政法人なので、市の一般会計とは別の決算です。救急や小児など不採算の医療を担う分は市が運営費負担金として払い、建物の借入金の返済も市が関わります。2025年度の運営費負担金は11億1,700万円、長期借入金の残高は136億7,900万円(2026年9月の本会議で私が市の資料から示した数字)。これらは別々の予算書と委員会に分かれていて、市民が「市は病院にいくら使っているのか」を一目で知る手立てがありません。
市民にとっての意味
市民病院は吹田で唯一の公立の総合病院で、救急医療と災害・感染症への備えの柱です。外来のかかり方は市民病院の外来・紹介状・アクセス、休日・夜間は救急病院・救急外来に。経営が続かなければ、診療科や救急の縮小という形で市民に返ってきます。
よくある追加の質問
- 市民病院は赤字ですか?
- 2023年度から3年続けて経常収支が赤字です。2025年度の経常収支比率は96.6%で、目標の100.3%に届きませんでした。
- なぜ赤字なのですか?
- 市は2026年9月の本会議で、病床利用率の伸び悩みと物価・人件費の高騰が改善の効果を上回っていると答え、赤字は一時的ではなく構造的な課題と認めました。評価委員会の報告書も、患者数の伸び悩みと診療報酬の構造的な問題を挙げています。
- 病床は埋まっていますか?
- 2025年度の病床利用率は76.2%で、目標の90%に第3期計画の4年間一度も届いていません。1日の入院患者は328人(目標388人)です。
- 救急車はちゃんと受け入れていますか?
- 2025年度の救急車の受け入れは3,502件で、前年度の4,116件から15%減り、目標の4,280件に届きませんでした。時間外の受入率は75.1%(目標80%)です。
- 市は病院にいくら払っていますか?
- 2025年度の運営費負担金は11億1,700万円、長期借入金の残高は136億7,900万円です。第4期中期計画では2026〜2029年度の4年間で約41億5,800万円の運営費負担金を見込んでいます。
- 黒字になる見込みはありますか?
- 第4期中期計画の目標は最終年度(2029年度)で経常収支比率98.7%、4年間の純損益は13億3,900万円の赤字です。計画どおりでも黒字にはなりません。市は期中の見直しには慎重で、毎年度の計画で改善策を求めると答えています。
- 病院がなくなることはありますか?
- 市は2026年9月の本会議で、431床は現時点で必要な病床数とし、今後は北摂の広域の議論で数と機能を整理する認識も示しました。縮小や廃止の決定はありません。
出典
出典を見る
- 吹田市「地方独立行政法人市立吹田市民病院評価委員会」(2026年9月8日更新)https://www.city.suita.osaka.jp/shisei/1018951/1019005/1019008/index.html
- 令和7年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)【全体評価・大項目評価】(PDF)(2026年7月29日)https://www.city.suita.osaka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/044/950/R8_siminbyouinhyouka3-1.pdf
- 吹田市「市立吹田市民病院 中期目標・中期計画・年度計画」(2026年4月1日更新)https://www.city.suita.osaka.jp/kenko/1018600/1018625/1021158/1027491/index.html
- 地方独立行政法人市立吹田市民病院 第4期中期計画(令和8年度〜令和11年度)(PDF)(2026年4月1日)https://www.city.suita.osaka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/027/491/suitasiminbyouin_dai4kichukikeikaku.pdf
- 吹田市議会 本会議(2026年9月11日)市立吹田市民病院の経営状況についての私の質問と答弁(2026年10月23日確認)../shitsumon/2026-09-q1.html
数字は市の評価委員会の報告書(案)と第4期中期計画、本会議での市の答弁です。報告書は案の段階で、確定版で数字が変わることがあります。
関連する質問・ページ
この情報の更新について
- 2026年10月23日 公開
評価委員会の報告書(毎年7〜9月)と病院の決算(毎年6〜7月)が出たとき、運営費負担金の額が変わったとき、跡地が売却されたときに書き直します。
市の問い合わせ先
吹田市「地方独立行政法人市立吹田市民病院評価委員会」のページに載っている問い合わせ先です(2026年10月23日確認)。番号をタップすると電話をかけられます。担当がわからないときは、吹田市役所の代表電話(06-6384-1231)へ。