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北千里駅前再開発の計画の中身
建物の高さ・住宅の戸数・駅前広場

北千里駅前の再開発は、古江台4丁目の約3.5ヘクタールで進む第一種市街地再開発事業です。住宅棟(ツインタワー)は2022年の市の概略計画の36階・約123メートル・約700戸から、準備組合の案で28階・約98メートル・約500戸になりました。バス・タクシーの駅前交通広場は約5,780㎡。都市計画決定前の案です。

執筆:吹田市議会議員 にしおか友和|公開:2026年9月26日|2026年9月26日時点で吹田市などが公表している資料によります。計画の数字は都市計画決定前の案で、今後変わることがあります
  1. いまの段階(2026年9月26日時点)
  2. 区域はどこか
  3. 事業の方式と、進める人
  4. 建物の計画の移り変わり
  5. 2つの「広場」と、建物の配置
  6. 商業施設・公共施設・工事中の買い物
  7. 交通・バス・駐車場
  8. 事業費と補助金
  9. 環境影響評価の状況
  10. これからの手続き(予定)
  11. 意見を伝える機会と問い合わせ先
  12. よくある質問
  13. 出典

いまの段階(2026年9月26日時点)

北千里駅前の再開発は、まだ「案」の段階です。都市計画は決まっておらず、事業を行う再開発組合もまだありません。2026年5月25日の吹田市都市計画審議会に都市計画の素案が報告され、市は、説明会と案の縦覧を経て11月下旬に都市計画を決定・告示する予定を示しました。並行して進む環境影響評価(環境アセスメント)は、2025年5月に出し直された提案書を、市の環境影響評価審査会が審議しているところです。

区域の広さ
約3.5ha
古江台4丁目。阪急北千里駅の西側
住宅・商業棟(準備組合の案)
28階・約98m
2棟のツインタワー。2022年の市の概略計画は36階・約123m
住宅の戸数(準備組合の案)
約500戸
2022年の市の概略計画は約700戸(仮定で算定した数字)
駅前交通広場(ロータリー)
約5,780㎡
都市計画の素案。北側の千里3号線沿いに移す
事業費(準備組合の案)
約545億円
補助金は国と地方公共団体あわせて180億円(市の答弁)
都市計画決定
まだ
5月の資料では11月下旬に決定・告示の予定

数字の出典と日付は、このページの各節と「出典」にあります。建物の高さや形は都市計画の決定事項に入らない、と市は説明しています。戸数と高さについて、市は2026年5月の時点で「500戸程度の規模で、98メートル程度の高さ」としつつ、確定したものではないとしています。

区域はどこか

再開発の区域は、吹田市古江台4丁目、阪急千里線の終点・北千里駅の西側に広がる千里北地区センターの一部です。面積は約3.5ヘクタール。2022年の環境影響評価提案書では35,010平方メートルとされ、2026年5月の都市計画の素案でも約3.5ヘクタールです。

千里北地区センターは、千里ニュータウンの開発のときに、青山台・藤白台・古江台の3つの住区の「生活とコミュニティの拠点」として、都市計画法の「一団地の住宅施設」の制度で整備されました。市は、開設から50年以上がたち、施設の老朽化や、利用する人のニーズとのずれが目立つようになったと説明しています。

区域に入らないもの

地区センターのすべてが区域に入るわけではありません。阪急電鉄が持つ駅側の土地・建物(駅ナカの商業施設を含む)、グランカサーレ北千里、千里ノルテ、医療ビルは区域の外です。市の説明では、グランカサーレ北千里と千里ノルテは比較的新しく、建築基準法86条の「一団地認定」の外で単独に建て替えた建物だからです。市は2018年度からの検討でこうした建物を検討区域から外し、2022年7月の政策会議で、いまの区域を前提に進めると決めています。

区域の西側の街区(古江台3丁目)には、北千里小学校の跡地に整備されたまちなかリビング北千里(図書館・公民館・児童センター)や、まちなか広場、商業施設の北千里グリーンプレイスがあります。これらも再開発の区域の外です。

容積率や建ぺい率の限度などを定める高度利用地区は約3.9ヘクタールで、再開発の区域より少し広い範囲にかける案になっています。

出典:吹田市「(仮称)北千里駅前地区第一種市街地再開発事業 環境影響評価提案書 要約書」(2022年10月)、吹田市都市計画審議会 令和8年度第1回(2026年5月25日)の当日説明資料と議事録、同 令和7年度第2回(2026年1月30日)の報告資料、北千里駅前まちづくり意見交換会 第1回-①(2023年10月29日)のふりかえりシートへの回答、第6回(2024年6月28日・29日)の議事概要とふりかえりシートへの回答。

事業の方式と、進める人

第一種市街地再開発事業とは

事業の方式は、都市再開発法にもとづく第一種市街地再開発事業(権利変換方式)です。市の説明をもとに仕組みをまとめると、次の3点になります。

  1. 土地をまとめて高く使う。区域の土地を共同化し、建物を高くして土地を有効に使うことで、道路や広場などの公共施設の用地も生み出す。
  2. 今の権利は、新しいビルの床に置き換わる。地権者の土地・建物の権利は、新しい再開発ビルの床の権利に等価で置き換わる(権利床)。区域の外に移ることを選んだ人は、金銭で補償を受ける。
  3. 増えた床を売って、費用に充てる。高く建てて新しく生まれた床(保留床)を売り、その収入を事業費に充てる。

この「保留床を売って事業費をまかなう」仕組みが、建物の高さや住宅の戸数をめぐる議論の土台になっています。市は、保留床をすべて商業施設として売ることができれば理論上は住宅をゼロにできるが、北千里の商業施設の需要の規模を考えると住宅ゼロの実現は難しく、市場の需要から住宅(マンション)が最適だと説明しています。同時に、この事業は「共同住宅の建設を主目的としたものではありません」とし、主な目的は地区センターの商業施設や公共公益施設の再整備だとしています。

市が、建物ごとの建て替え(個別建替え)や今の建物のリニューアルではなく市街地再開発事業を選んだ理由として挙げているのは、個別の建て替えは地権者の経済的な負担が大きいうえ、土地・建物の形や建築基準法の制約で難しいこと、一体で整備しないと地区センターの機能を保てないおそれがあること、国の補助制度と行政の認可制度がある法定の事業であることです。市の比較表では、ロータリーや駐車場の再編、歩行者動線の連続性、にぎわいのための広場の充実は、市街地再開発事業でなければできない(○)とされています。

誰が進めるのか

施行するのは民間で、都市計画が決まったあとに設立が認可される「北千里駅前地区市街地再開発組合」(予定)です。いまは、地権者が2022年4月につくった「北千里駅前地区市街地再開発準備組合」が「事業検討主体」として計画を検討しています。

2023年時点の市の説明では、準備組合の組合員は、大阪府都市整備推進センター、千里北センター株式会社、吹田市、民間と個人の3者の計6者です。土地は大阪府都市整備推進センターが約84%、建物の延べ床面積は千里北センター株式会社が約84%を持ち、吹田市の持ち分は土地・建物とも約3%です。市が地権者として持つのは、北千里駅前南自転車駐車場と、市の資産経営室の執務室(旧北千里地区公民館など)です。

吹田市は、地権者として準備組合に入っていると同時に、都市計画を決め、補助金を出し、準備組合に行政指導をする立場でもあります。市は2023年の意見交換会で、市と地権者側で協議して作った概略計画を仮に大幅に上回る案が出てきた場合は「市としても行政指導を行う」と答えています。組合の設立と権利変換計画を認可するのは、大阪府知事です。

住宅の保留床は、建物を建てる前に取得する人を決める「参加組合員制度」をとる予定で、一般の人は参加組合員から買う形になります。市は、資金が足りなくなったときに組合に直接の被害が出ないようにするためと説明しています。マンションは分譲で考えていると、市は準備組合から聞いています。

吹田市でこれまでに行われた市街地再開発事業は、国鉄吹田駅前、JR吹田駅北口、藤白台地区の3件で、いずれも第一種です(吹田市「市街地再開発事業」2022年8月30日更新)。出典:北千里駅前まちづくり意見交換会 第1回-①(2023年10月29日)の議事概要とふりかえりシートへの回答、第1回-②(2023年11月26日)の議事概要、第6回(2024年6月28日・29日)の説明資料とふりかえりシートへの回答、第9回(2026年3月20日・23日)の説明資料と議事概要、吹田市「よくある御質問」(2023年7月11日更新)、吹田市都市計画審議会 令和7年度第2回(2026年1月30日)・令和8年度第1回(2026年5月25日)の議事録、吹田市議会 予算常任委員会 建設環境分科会(2024年3月7日)の会議録。

建物の計画の移り変わり

建物の計画は、これまでに段階を追って示されてきました。数字の変化を見るときは、それぞれの数字を、誰が、何のために出したものかを分けて見ることが大切です。

2022年10月:市の「概略計画」(環境影響評価提案書)

最初に具体的な数字が出たのは、2022年10月に市が提出した環境影響評価提案書です。商業・公益棟は地下1階・地上5階、延床約40,400平方メートル、高さ約30メートル。住宅・商業棟は36階建てのツインタワー形式で、延床約82,000平方メートル、高さ約123メートル。住宅は約700戸、延床面積は全体で約122,000平方メートルでした。

ただし市は、この計画を「環境に及ぼす影響が最大限となる概略の事業計画」とし、「計画のとおり事業が実施されることを前提としておりません」と説明しています。吹田市の条例では都市計画を決める前に環境影響評価を始める必要があり、建物の設計が決まる前に、影響がいちばん大きくなる場合を想定して評価する、という考え方です。約700戸という数字も、市は「仮定として、住宅部分の全面積を標準的な戸あたり面積で割り戻した結果」で、「住宅開発を目的として戸数の設定等を行ったものではありません」と説明しています。

それでも、地上36階・約123メートルという高さは、この提案書で初めて住民に示されました。2022年11月の意見交換会について、審査会の委員は「説明会は紛糾しました」と報告し、審査会は12月7日に審査をいったん保留しました。市はのちに、「唐突にお示しした市の検討案に、地元住民の混乱や多数の不安の声を生じさせてしまった」と審査会に報告しています。

2024年6月:準備組合の案(第6回意見交換会)

2024年6月28日・29日の第6回北千里駅前まちづくり意見交換会で、事業を検討する準備組合が「まちづくり計画の概要(案)」を説明しました。

住宅は約500戸の想定です(第6回意見交換会の回答では「この程度の規模であれば500戸程にはなる」「約500戸を想定」)。住宅棟は今回も2棟のツインタワーです。準備組合は2025年8月の審査会で、タワーの形にすることで足元にオープンスペースをとり、2棟に分けて間に空間を設けることで圧迫感を和らげる計画だと説明しています。

戸数が約700戸から約500戸に変わったことについて、市の資料はこの案を「準備組合による検討案」「施設規模等を見直した計画」と書いています。準備組合は2025年8月の審査会で、「人中心の空間づくりと事業性を考え、住宅の高さを下げられるかを準備組合で検討した案」と説明しました。

準備組合は、同じ規模の住宅を高さ60メートル未満の板状の建物に収める案(B案)も比べました。60メートル未満は、建築基準法の超高層建築物に当たらない高さです。しかし、足元のオープンスペースや歩行空間の連続性がとれないとして採用せず、冬至の日影もタワー形の案(A案)のほうが小さいと説明しています。B案は2025年6月の意見交換会で初めて示されました。

2025年5月:出し直した提案書

2025年5月、市と準備組合は、準備組合の案に合わせた環境影響評価提案書を出し直しました(5月15日受理)。延べ床面積は全体で約109,000平方メートル、建築面積は商業・公益棟約12,600平方メートル、住宅・商業棟約5,100平方メートル、住戸は約500戸です。ここでも「現時点での検討案であり今後の詳細検討で内容が確定」とされています。

2026年5月:都市計画の素案

2026年5月25日の都市計画審議会に報告された都市計画の素案では、市街地再開発事業の「建築物の整備に関する計画」として、建築面積約17,600平方メートル、延床面積約113,200平方メートル(容積率の計算の対象は約83,000平方メートル)、建ぺい率約10分の7、容積率約10分の40、主な用途は住宅・商業・公益施設・駐車場、建築敷地約24,000平方メートルが示されました。

提案書の約109,000平方メートルと素案の約113,200平方メートルは、数え方が違う可能性があるので、並べて「増えた」とは言えません。

都市計画で決まること・決まらないこと 市の担当者は審議会で、タワーマンションの形や高さ、タワーマンションであることは、都市計画の決定事項には入らないと説明しました。一方、延床面積や建築面積などの建物の規模は都市計画図書に入り、「そこから大幅な増減はないようにしていかないといけない」と述べています。住宅の戸数と高さについては、「現時点で準備組合から公表されている中では500戸程度の規模で、98メートル程度の高さ」、資金計画が確定していないので確定したものではない、と答えています。2026年3月の第9回意見交換会では、98メートルは「最終決定ではなく、今後の詳細な計画を詰める中で変更の可能性は残っている。ただし、事業規模として98m程度の高さが必要」という回答でした。
図1 建物の高さの比較2022年10月の市の概略計画と、2024年6月の準備組合の案(いまの案)。数字から作った図です
  • 住宅・商業棟(ツインタワー・2棟)
  • 商業・公益棟
  • 45m:高度地区の高さの上限(市街地再開発事業の区域には適用されない)

出典:吹田市「環境影響評価提案書 要約書」(2022年10月)、準備組合「まちづくり計画の概要(案)」(第6回北千里駅前まちづくり意見交換会、2024年6月28日)、吹田市都市計画審議会 令和7年度第2回(2026年1月30日)の議事録(45m第4種高度地区の適用除外)。

図2 住宅の戸数約700戸は、市が事業の成り立ちを確かめるために「仮定として」算定した数字です

出典:吹田市「よくある御質問(700戸)」(2023年7月11日更新)、第6回北千里駅前まちづくり意見交換会の議事概要(2024年6月28日・29日)、吹田市環境政策室「(仮称)北千里駅前地区第一種市街地再開発事業に係る環境影響評価」(事業の概要)。

3つの段階の比較

項目2022年10月 市の概略計画2024年6月 準備組合の案2026年5月 都市計画の素案
住宅・商業棟36階・約123m・ツインタワー地上28階・約98m・ツインタワー高さや形は都市計画の決定事項に入らない(市の説明)
商業・公益棟地下1階・地上5階・約30m地下1階・地上4階・約25m同上
住宅の戸数約700戸(仮定で算定)約500戸素案の資料には示されていない
延床面積約122,000㎡A棟約45,000㎡・B棟約64,000㎡(2025年5月の提案書では全体約109,000㎡)約113,200㎡(容積率の対象は約83,000㎡)
事業費約572億円(2022年7月の市の試算)約545億円(素案では示されていない)

高さについては、意見交換会や審議会で、心配する意見も、早く進めてほしいという意見も出ています。出た意見と市・準備組合の説明は「意見交換会」のページにまとめています。

2つの「広場」と、建物の配置

北千里駅前の再開発で取り違えやすいのが、2種類の「広場」です。

駅前交通広場(ロータリー)
約5,780㎡

バス・タクシー・送迎の車が入る広場。都市計画では道路(都市計画道路 千里3号線)の一部として定めます。数字は2026年5月の都市計画の素案。

歩行者の広場
約900㎡ → 約4,000㎡

大屋根をかけたにぎわい広場や、建物の屋上の広場など。準備組合の案の図にある「広場面積」はこちらで、ロータリーの広さではありません。

いまは地区の中央にロータリーがあり、車の動線が地区の中まで引き込まれていて、東西南北の歩行者の流れを妨げている、と市は説明しています。計画では、駅前交通広場を敷地の北側(幹線道路の千里3号線側)に移し、駅の改札前の地区の中央に商業・公益棟を、南側に住宅・商業棟を置きます。市は2026年1月の都市計画審議会で、駅前に様々なイベントに対応した全天候型のにぎわい広場を、屋上に憩いの広場などを配置すると説明しています。

図3 配置の模式図(北が上)市の説明をもとにした模式図です。形や大きさ、境界線は正確ではありません

区域の西側の街区(古江台3丁目)には、まちなかリビング北千里・まちなか広場・北千里グリーンプレイスなどがあります。出典:吹田市都市計画審議会 令和6年度第1回(2024年11月18日)の議事録、令和7年度第2回(2026年1月30日)の報告資料と議事録、令和8年度第1回(2026年5月25日)の資料。

準備組合の案では、駅と交通広場を結ぶ歩行者動線をつくり、西側のまちなかリビング北千里と、北側の青山台の街区をつなぐ歩行者デッキを整備・改修します。駅や地区センターと古江台側をつなぐ、地区内に連続した歩行者通路も計画されています。都市計画の素案には、区域の東側に新しい区画道路1号(幅6〜11メートル・延長約130メートル)と歩行者専用通路(幅6〜10メートル・延長約90メートル)が入っています。駅前のロータリーは、再整備後は吹田市が持つことになります。

駅前交通広場を北へ移したときの、今の改札とのあいだの高低差やバリアフリーについては、第9回意見交換会(2026年3月23日)で質問が出ました。回答は、現在は基本設計の前で、今後の詳細設計の段階で駅改札との高さの関係を精査し、バリアフリーにも配慮しながら検討する、というものでした。

商業施設・公共施設・工事中の買い物

商業施設

第6回意見交換会(2024年6月)の回答では、過大な商業施設を作ると車が多くなることやシャッター通り化して廃れる懸念があり、近隣の暮らしを支える規模として、1階から3階をメインに商業施設を平面的に広く確保しているとされています。2026年1月の都市計画審議会では、商業は地下1階から3階の低層階が中心、4階にまちなかリビング北千里との連携を考えた公益施設、南側の住宅棟も低層部は住宅以外、という配置が説明されました。

再整備後の商業の床は、今より少なくなる計画です。市が2026年5月の審議会に出した交通量の推計の表では、商業施設の床面積の増分がマイナス4,652平方メートルとされています。どんな店が入るか、医療系のテナントが入るかは、まだ決まっていません。今の店が再開発後も続けられるかは、地権者とテナントの契約関係によります。テナントへの説明は、オーナーでもある各地権者が個別に行うと市は説明しています。

工事中の買い物

2026年3月の第9回意見交換会では、具体的な工事の順番はまだ決まっていないが、スーパーマーケットなど日常生活に必要な機能をできるだけ維持しながら段階的に工事を進めることを検討している(準備組合)、事業は段階的に進め、都市計画決定後すぐに既存店舗を閉鎖するということではない、と説明されました。テナントがいつまで営業できるか、仮店舗で営業できるかはまだ整理できておらず、具体的なスケジュールは都市計画決定後に作る事業計画の中で決まるとされています。補助の対象には、仮設店舗などの設置費も含まれます。

公共施設

市が再開発で新しく整備を考えている公益施設は、地域連携や多世代交流ができるコミュニティセンターです。2022年の政策会議の資料では、公共公益施設として、駅前広場(再整備)・歩行者広場・通路など、自転車駐車場(再整備)、コミュニティセンター(新設)が挙げられています。第7回・第8回の意見交換会(室内の交流・活動がテーマ)は、この公益施設の検討のために開かれました。

図書館・公民館・児童センターは、区域の外の北千里小学校跡地に「まちなかリビング北千里」として先に整備され、2022年11月22日に開館しました。市は、駅前に整備するコミュニティセンターや広場と、まちなかリビング北千里の機能を連携させる方針です。市の立地適正化計画は、この区域に誘導する施設として、保育所・認定こども園(60名以上)、児童館、子育て支援施設、大学、図書館、コミュニティセンターを挙げています。都市計画の素案では、建ぺい率を70%以下に抑えて空地を生み出し、広場や施設内に子育て支援または交流の機能を設けることなどを条件に、容積率の上限を10分の40から10分の50に上げられる仕組みになっています。

北千里駅前で、コミュニティセンターの床がどれだけの広さになり、そのために市がいくら負担するのかを示した資料は、今回確認できませんでした。

出典:第1回-①(2023年10月29日)・第6回(2024年6月28日)・第9回(2026年3月20日)北千里駅前まちづくり意見交換会の議事概要とふりかえりシートへの回答、第7回(2025年1月18日)の説明資料、吹田市都市計画審議会 令和7年度第2回(2026年1月30日)の報告資料と議事録、令和8年度第1回(2026年5月25日)の当日説明資料と議事録、吹田市議会 令和8年2月定例会 本会議(2026年3月2日)の会議録、令和8年2月定例会 議案第19号参考資料(建設環境分科会)、吹田市議会 本会議(2022年12月5日)の会議録(まちなかリビング北千里の開館日)。

交通・バス・駐車場

市が2026年5月25日の都市計画審議会に示した、環境影響評価の途中の検討結果などです。

一方、都市計画審議会の委員からは、今もバスやタクシーが信号のない片側2車線の道路を右折して入っていて、同じ位置からの出入りになるのではないか、地下駐車場の出入口で渋滞や事故、歩行者との接触の危険はないか、朝は学校のバスも多い、東側の新しい出入口と南側の東西の道路の交通安全に配慮を、といった意見が出ています。市は、南側の東西の道路の交通量は「おそらく増えるだろう」と答えています。

出典:吹田市都市計画審議会 令和7年度第2回(2026年1月30日)・令和8年度第1回(2026年5月25日)の資料と議事録、環境影響評価の意見交換会(2025年6月20日)の議事概要、第9回北千里駅前まちづくり意見交換会(2026年3月23日)の議事概要。

事業費と補助金

事業費

2022年7月19日の市の政策会議の資料では、事業費(支出)は約572億円、収入は補助金等約180億円(うち市負担分約90億円と想定)と、住宅・商業施設等の売却益約392億円でした。この資料は、準備組合の前身の協議会で市の検討案をもとに計画検討を進めると確認した内容で、今後変わる可能性があるとされています。

2024年6月の準備組合の案では、事業費は収入・支出とも約545億円です。資料には「事業費は計画内容・今後の社会情勢(物価状況)で変動」と書かれています。第6回意見交換会の回答では、572億円から下がった理由は「本計画の概要(案)の内容と現状の物価水準を踏まえた事業費」とされ、支出のうち工事費は約430億円(施設建築物工事費等408億円程度、公共施設整備費等22億円程度)の想定、工事費が上がった場合は、工事費を下げる工夫、床を高く売る工夫、補助制度などで対応する、とされています。

図4 事業費の変化2022年は市の試算、2024年は準備組合の案。どちらも概算です

出典:吹田市「令和4年度第1回政策会議」資料(2022年7月19日)、準備組合「まちづくり計画の概要(案)」(2024年6月28日)と第6回意見交換会のふりかえりシートへの回答。

補助金と、市の負担

2026年3月9日の予算常任委員会 建設環境分科会で、市の担当者(計画調整室主幹)は、組合の想定する全体事業費545億円のうち、国と地方公共団体の補助金が合わせて180億円と答えました。

2022年12月5日の本会議では、都市計画部長が、当時の試算で市の支出は補助金約175億円と公共施設管理者負担金約5億円の計約180億円、そのうち2分の1に国の補助金が交付される見込み、と答弁しています。政策会議の資料の「市負担分約90億円」は、この2022年の想定です。その後の答弁は「国と地方公共団体の補助が合わせて180億円」までで、市の実際の負担がいくらになるかの最新の内訳は、示されていません。

第9回意見交換会(2026年3月20日)では、参加者から「90億円もの税金投入は妥当なのか」という質問があり、市は「90億円の補助金の妥当性については、今後、市議会などでご判断いただくことになる」と答えています。

令和8年度(2026年度)の予算

2026年度の当初予算には、「北千里駅前地区市街地再開発事業(新規)」として3億5,560万円(負担金、補助及び交付金)が入りました。準備組合が行う調査設計計画(土地・建物の現況測量・調査、基本設計、資金計画の作成など)への補助です。財源の内訳は次のとおりです。

図5 令和8年度予算 3億5,560万円の財源吹田市「令和8年度 事業別予算概要」から作図
  • 国・府の支出金(国府支出金)1億7,780万円(50%)
  • 市債(市の借入れ)1億6,000万円(45%)
  • 一般財源1,780万円(5%)

出典:吹田市「令和8年度 事業別予算概要」(令和8年2月定例会に提出。ページ更新 2026年3月25日)、令和8年2月定例会 議案第19号参考資料(建設環境分科会)。割合は、にしおかが計算しました。人件費を含めた参考額は3億6,924万1千円です。

再開発への補助の対象になるのは、調査設計計画(事業計画作成費、地盤調査費、建築設計費、権利変換計画作成費)、土地整備(建物の除却、整地、仮設店舗などの設置、建物や営業の補償など)、共同施設整備(通路・駐車場・広場、給排水・電気などの設備、消防施設など)です。

出典:吹田市議会 本会議(2022年12月5日)・予算常任委員会 建設環境分科会(2026年3月9日)の会議録、第9回北千里駅前まちづくり意見交換会(2026年3月20日)の議事概要、令和8年2月定例会 議案第19号参考資料。

環境影響評価の状況

北千里駅前の環境影響評価は、吹田市環境まちづくり影響評価条例による市の手続きです(大阪府の「環境アセスメント手続き中の事業」の一覧には載っていません)。

審査会の答申は、まだ出ていません(2026年9月26日時点で、市の環境政策室のページの「審査会の答申」の欄は空欄)。このあとは、審査書 → 評価書案(意見交換会を開く。時期は未定)→ 評価書と進みます。市の資料の流れ図では、評価書案の段階で具体的なパースを示す予定になっています。市は5月の都市計画審議会で、11月までに景観部会を3回ほど開く予定で調整していると答えています。

都市計画との関係について、市と準備組合の資料は「都市計画決定までに提案書を提出。以降の手続きは、事業の進捗に合わせ、適切な時期に実施」と説明しています。条例の規則では、都市計画に定める事業は、都市計画の案の縦覧の公告の前日までに提案書を出すことになっていて、この提出は済んでいます。

途中の試算として、住宅・商業棟の冬至の日影は、4時間の日影が約4,140平方メートル(事業計画地の中)、2.5時間の日影が約16,830平方メートル(事業計画地と北千里駅・周辺道路が大部分)で、市は「現時点での試算では、周辺の住宅地への影響はほとんどなく」としています。風(ビル風)と景観は、設計が進むなかで比べて検討するとされ、ビル風の影響は「今後適切な時期に公表」と説明されています。

出典:吹田市環境政策室「(仮称)北千里駅前地区第一種市街地再開発事業に係る環境影響評価」(2026年9月26日閲覧)、環境影響評価審査会の開催履歴(ページ更新 2026年9月18日)と各回の会議録・資料、吹田市都市計画審議会 令和8年度第1回(2026年5月25日)の当日説明資料と議事録、大阪府「環境アセスメント手続き中の事業」(2026年8月19日更新)。

これからの手続き(予定)

都市計画で決めるもの(素案)

  1. 市街地再開発事業の決定:北千里駅前地区第一種市街地再開発事業(約3.5ヘクタール)
  2. 道路の変更:都市計画道路 千里3号線に北千里駅前交通広場(約5,780平方メートル)を追加
  3. 高度利用地区の変更:北千里駅前地区(約3.9ヘクタール)を追加。市内では国鉄吹田駅前地区(昭和45年に当初決定)、JR吹田駅北口地区(平成2年に当初決定)に続く3地区目
  4. 地区計画の変更:地区整備計画の追加。詳細設計を進めたうえで、令和9年度以降に変更する予定

大阪府が定める「都市再開発の方針」も、市の都市計画決定とあわせて定める予定です。区域にかかっている45メートルの高度地区の高さ制限は、市街地再開発事業を都市計画で決めることで、区域内の建物には適用されなくなります。市は「適用除外でどうでもいいというようなことではございません」とし、景観アドバイザー会議や環境影響評価審査会も使って慎重に審議すると答弁しています。

2026年5月25日の資料に示された予定

時期(予定)手続き
7月中旬頃都市計画変更説明会(都市計画法16条の公聴会として、市民向けの説明会を開く)
9月中旬から2週間都市計画変更案の縦覧(法17条)。市都市計画室の窓口と市ホームページで公表し、市民や利害関係者は意見書を出せる
11月中旬吹田市都市計画審議会(諮問)
11月下旬都市計画決定・告示

これは5月時点の予定です。2026年2月の議会に出された資料では、公聴会などは6月頃、縦覧は8月頃とされていて、5月の資料ではそれぞれ1か月ほど後ろになっていました。2026年9月26日時点で、7月の説明会・9月の縦覧が行われたことを示す市の告知は、市のサイトでは確認できませんでした。実際の日程は、市の発表で確かめてください。

2026年3月2日の本会議で、都市計画部長は、都市計画決定は令和7年度末に向けて調整していたが、法律で定める手続きの前に都市計画審議会と意見交換会で丁寧な説明や意見聴取を行うことにしたため、予定時期を令和8年11月頃に変えたと答弁しています。

都市計画が決まったあと

組合の設立・事業計画の認可(大阪府知事)→ 権利変換計画の認可(大阪府知事)→ 工事着手 → 工事完了、と進みます。事業計画の認可の手続きでは、テナントを含む関係権利者が意見書を出す機会がある、と市は説明しています。

完成の時期は、公式には決まっていません。2024年9月と2025年12月の本会議の答弁では「令和10年度に工事着手、令和19年度に事業完了」を想定していましたが、2026年3月2日の答弁では、都市計画決定以降のスケジュールは準備組合で検討中とされ、懸念として工事費の高騰による影響と補助金などの財源確保、権利変換に向けた協議・調整が挙げられています。

出典:吹田市都市計画審議会 令和8年度第1回(2026年5月25日)の当日説明資料と議事録、令和6年度第1回(2024年11月18日)の議事録、令和7年度第2回(2026年1月30日)の報告資料と議事録、令和8年2月定例会 議案第19号参考資料、吹田市議会 本会議(2024年9月13日・2025年12月5日・2026年3月2日)と予算常任委員会 建設環境分科会(2026年3月9日)の会議録、北千里駅前まちづくり意見交換会 第6回-②(2024年6月29日)のふりかえりシートへの回答。

意見を伝える機会と問い合わせ先

にしおか友和がこの再開発について議会で質問してきたことと、本人の考えは、「議会での議論」のページに分けて載せています。経過は「年表」のページでたどれます。

市の問い合わせ先

吹田市 都市計画部 計画調整室
市街地再開発事業担当06-6318-6369

吹田市「北千里駅前の再整備」のページに載っている問い合わせ先です(2026年9月26日確認)。番号をタップすると電話をかけられます。担当がわからないときは、吹田市役所の代表電話(06-6384-1231)へ。環境影響評価の手続きは、市の環境影響評価のページに問い合わせ先があります。

よくある質問

北千里駅前の再開発で建つ建物の高さは何メートルですか?
準備組合の案(2024年6月)では、住宅・商業棟が地上28階・高さ約98メートルのツインタワー(2棟)、商業・公益棟が地下1階・地上4階・高さ約25メートルです。2022年10月に市が示した概略計画では、住宅・商業棟は36階・約123メートルでした。建物の高さや形は都市計画の決定事項には入らず、市は2026年5月の時点で「500戸程度の規模で、98メートル程度の高さ」と説明し、確定したものではないとしています。
北千里駅前の再開発で住宅は何戸建つのですか?
準備組合の案では約500戸で、分譲の予定です。2022年の市の概略計画の約700戸は、市が「仮定として」住宅部分の面積を標準的な住戸の面積で割り戻した数字です。市は2026年5月の時点で、事業の資金計画が確定していないため、戸数は確定したものではないと説明しています。
北千里駅前の広場は約900平方メートルから約4,000平方メートルに広がるのですか?
約900平方メートルから約4,000平方メートルという数字は、準備組合の案の図にある歩行者の広場(大屋根のにぎわい広場や屋上の広場など)の面積です。バスやタクシーのロータリーである駅前交通広場は別のもので、都市計画の素案では約5,780平方メートル。場所は、いまの地区の中央から、北側の千里3号線沿いに移る計画です。
北千里駅前の再開発で吹田市の負担はいくらですか?
2022年7月の市の試算では、補助金等約180億円のうち市負担分を約90億円と想定していました。2026年3月の市の答弁は、組合の想定する全体事業費545億円のうち、国と地方公共団体の補助金が合わせて180億円というもので、市の実際の負担の最新の内訳は示されていません。令和8年度予算には、準備組合への補助金3億5,560万円が入っています。
北千里駅前の再開発の都市計画はいつ決まりますか?
2026年5月25日の吹田市都市計画審議会の資料では、7月中旬頃に説明会、9月中旬から2週間の縦覧、11月中旬の審議会を経て、11月下旬に決定・告示する予定でした。2026年9月26日時点で、説明会と縦覧が行われたことを示す市の告知は確認できていません。日程は市の発表でご確認ください。

出典

  1. 吹田市「北千里駅前の再整備」 (2026年5月26日更新)
  2. 吹田市都市計画審議会 令和8年度第1回(2026年5月25日):当日説明資料(都市計画の素案)・議事録 (ページ更新 2026年6月24日)
  3. 吹田市都市計画審議会 令和7年度第2回(2026年1月30日):報告資料・議事録 (ページ更新 2026年5月12日)
  4. 吹田市都市計画審議会 令和6年度第1回(2024年11月18日) (ページ更新 2025年10月28日)
  5. 吹田市「(仮称)北千里駅前地区第一種市街地再開発事業に係る環境影響評価」と提案書 要約書(2022年10月) (2026年9月26日閲覧)
  6. 吹田市環境影響評価審査会:2025年8月1日・2026年5月7日・景観部会 2026年6月4日・景観部会 2026年8月25日 (審査会のページ更新 2026年9月18日)
  7. 吹田市「北千里駅前まちづくり意見交換会」(第1回〜第9回の説明資料・議事概要・ふりかえりシートへの回答) (2026年5月26日更新)
  8. 吹田市「よくある御質問」(700戸についてほか) (2023年7月11日更新)
  9. 吹田市「令和4年度第1回政策会議」(2022年7月19日) (ページ更新 2022年10月25日)
  10. 吹田市「令和8年度当初予算」の事業別予算概要と議案第19号参考資料(建設環境分科会) (ページ更新 2026年3月25日)
  11. 吹田市議会 会議録(2022年12月5日 本会議・2024年3月7日 予算常任委員会 建設環境分科会・2024年9月13日 本会議・2025年12月5日 本会議・2026年3月2日 本会議・2026年3月9日 予算常任委員会 建設環境分科会・同(高さについての答弁:その1・その2))
  12. 吹田市「市街地再開発事業」 (2022年8月30日更新)
  13. 吹田市「まちなかリビング北千里」 (2024年3月1日更新)
  14. 大阪府「環境アセスメント手続き中の事業」 (2026年8月19日更新)

いずれも2026年9月26日に内容を確かめました。図はすべて、これらの資料の数字をもとに、にしおかが作ったものです(市や準備組合の図・パースは使っていません)。計画の数字は都市計画決定前の案で、今後変わることがあります。

にしおか友和
このページを書いた人:にしおか友和(西岡 友和)

吹田市議会議員(立憲民主党・2期目)。1974年吹田市生まれ、藤白台在住、3児の父。NTTグループで約20年ICTコンサルタントを務めたのち2019年初当選。市の公式資料と議会の答弁をもとに、暮らしの疑問に答えるページをつくっています。

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